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私が考える仕事(LEMO端子編)

最近、お客様からヘッドフォンを極めたいというリクエストがありました。

ただ・・・

残念ながら私はヘッドフォンに関してはど素人でした。

ネットで調べれば調べるほどヘッドフォンの世界は深いようで、

「果たして私はお客様のリクエストに応えることができるのだろうか?」

と怯えました。

付け焼刃ではありますが、ヘッドフォンを聴ける環境に足を運び、あれこれ聴くわけです。

ここで思ったことを素直に書きます。

スピーカーからの音を極めようと日々努力してる自分の耳を信じる限り、

「ヘッドフォン業界って、たいしたことないんじゃないか?」

そして

「こんな世界をお客様にご案内して良いのだろうか?」



(既製品を聴く中で)少なくとも私が感じた事です。

「こんな世界をお客様にご案内して良いのだろうか?」と思ったのは、そのお客様は普段は私がプロデュースしたスピーカーまでのオーディオ装置で音楽を聴かれるからです。

時間帯的な問題で、どうしてもスピーカーの音を聴けない時があり、その様な時にヘッドフォンを必要とされるからです。

スピーカーからの音を知る私にとって、それは物凄いプレッシャーです。

正直「無理だろ」とすら思いました。

ただ、時々キラキラと輝く可能性も感じたのです。

そのヘッドフォンは

FocalのUtopia

https://www.focal.com/jp/headphones/utopia/utopia



FinalのD8000

https://snext-final.com/products/detail/D8000

でした。

パッと繋ぎ、いきなり重厚感のある音楽性のある音を聴かせてくれるD8000

若干冷色的音色(D8000と相対的比較をした場合)で密度感も足りないけれど、広大な音場に余裕を持って音像を配置し音楽を語ってくれるUtopia

この二機種を聴いた時に思いました。

「もしこの2機種の良い所どりをできたなら、間違いなく幸福な音楽を奏でることができる。まだ自分はヘッドフォンまでの前段を既製品でしか聴いたに過ぎないのだ。それもヘッドフォンアンプとプレーヤーは数十万円のミドルクラスでしかない!」



急に「やれるんじゃないか!?」と強気になり、まずはヘッドフォンを選びました。

選んだヘッドフォンはFocal Utopiaです。

D8000でも良かったのですが、依頼されたお客様のスピーカーがMAGNEPANと言う事もあり、オープンエアー型のUtopiaにしました。

「開放的で軽々とした音をベースにしながら、艶めかしく濃厚で濃密、重厚感ある音で描きたい。」

と言う考えです。

早速Utopiaを導入し、私がプロデュースした座間DOLPHIN環境で確認してみます(確認時はお客様のヘッドフォンと言う事もあり、耳には装着せずあくまでスピーカーの様にして聴いただけですが)。

怒られるのかもしれません、自惚れだと言われるかもしれません、しかし思ってしまったから仕方がありません。

「えっ?ヘッドフォンがこんなに簡単で良い音で鳴っていいのか?いきなり及第点の音が出てるじゃないか!Utopiani対し『若干冷色的音色(D8000と相対的比較をした場合)で密度感も足りないけれど』と思ったのは何だったんだろ。」



どうやらスピーカーもヘッドフォンも同じようです。

良い音が出ないのは、良いプレーヤーを用いず、良いアンプを用いないからでしかないようです。

アンプ、Utopiaを納品させていただいたお客様からは


「うん?
何か良い感じです。
なかなかいけるのかなぁとディスクを計4枚ほど聴いてみました。

決して録音状態の良くない古いディスクを聴いてもそれなりの音は鳴ってくれますし、
お気に入りCDも結構良い感じで鳴ってくれます。
とどめはSACDディスク、聴いた途端一気に引き込まれ気がついたら本当にトリハダがたっておりました。

8分ほどの曲なのですが、あまりに心地よかったのでそのまま聞き続け
気がついたら思わず3回も繰り返して聴いていました。

勿論マグネパンをHLP8805で鳴らしたような感動までには至りませんが、
これは結構いけるんじゃないか?と思えてきました。

諦めてはいけませんね。
HLP8805のヘッドフォン端子の部分に
もうひとひねり奈良岡様の腕を振るっていただき追い込んでいけば、
マグネパンに並ばずともかなり距離を縮めることは可能ではないかと…」


というご感想を頂きました。

決して私一人よがりの評価ではなかったようです。

ホッと一安心。

さて、これでお終いかと言うとそうではありません。

お客様にはもっと良い音でUtopiaを聴いていただかないと困るからです。

その為に今やっていることはヘッドフォンまでのリケーブルの製作です。

ヘッドフォンに関しては確かに私は素人です。

しかしこの分野で私がヘッドフォン業界のメーカーに負ける訳にはいきません。

って言うか、ヘッドフォン業界の人間が耳にした事がない、一つ抜けた音を作り上げないと座間DOLPHINではないのです。

その為に何をしたかと言うならオーダーメイドの端子の製作です。

Utopiaのリケーブルの端子は2極のLEMO端子です。

このケーブルを何社かのオーディオメーカーが製作していますが、そのすべてが既製のLEMO端子です。

ただ私に言わせるなら、既製の端子を使うなんてプロの仕事ではないです。

料理屋が刺し身を食べさせるのに既製のメーカーの醤油をそのまま出してるのと同じレベルです。

刺し身を食べさせるなら、しっかり仕事をした刺し身醤油を出して欲しいと私は思いますし、座間DOLPHINもその様なレベルの仕事をしたいと考えます。

完成した端子がこちらになります。


既製のLEMO端子のハウジングは梨地のクロムメッキなのに対し、当社は音質を考慮したブラック〜メッキ(企業秘密)

コンタクトは貧弱な金メッキから当社の最高級金メッキ

他の構成パーツもニッケルメッキに対し、当社の最高級金メッキ

これが当社の仕事です。

プロならここまで手間暇をかけた仕事をして欲しいと考えます。

アンプ側の端子も当然に当社の仕事をした端子を用います。

この端子を用い、一つ抜けた音を出したい。

ちょっと自分にプレッシャーを与えてみます。