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細谷さんが亡くなられました
 オーディオ評論家の細谷先生が亡くなられました。

ここ最近のオーディオ雑誌では必ずしも主流になられたわけではありませんが、その真面目な評論スタンスにただただ敬服する自分でありました。

評論をする際にオーディオ界の政治力学、経済力学をそのまま評論に持ってくる評論家が多い中、真剣に試聴し、悩みぬいて評論記事を書かれる数少ない、天然記念物的な評論家だったと思います。

私と細谷さんは音の好みが違います。

ハイフォーカス好みの細谷さん、ソフトフォーカス好みの自分。

ただ、そんな中の昨年10月3日の試聴会。

いつも通りの細谷さんのセッティングを見、「あ〜あ」と思いながらも出てくる音は好みを超越した神駕かったものでした。

「なんであのようなセッティングからあんな音が出るのだろう。」と思ったものです。

それは細谷さんの死を飾るために美辞麗句をならべてるのではなく、本当にそのような神駕かった音が出ていたのです。

それは試聴会に参加された方が一番よくわかっているはずです。

試聴会の後居酒屋で食事をし、その際に自分が「自分が悔やむのはE社のOさんの売り上げの力になれなかったこと。私はOさんが大好きだったんですよ。」と世間話を言うと、元E社のOさんに電話される細谷さん。

多くのオーディオ評論家が行使する政治力を使わなかったため、最終的には評論を書かれる紙面が数少なくなってしまいましたが、人間としてのグレードは大物であり、それでいて繊細だったと思います。

居酒屋の食事の後「奈良岡さんこれにジャガイモ足して食べると美味しいから試してみて」と手渡ししてくれたデリーのカレー

美味しく食べさせていただきました。

昨年は町田に引っ越されて、これからさらに親密に付き合っていければと思っていたました。

残念で残念で残念で仕方ありません。

絶対的な宗教観を持たない自分にとってこの世の後にあの世があるのかどうかわからないわけで、「向こうでもオーディオを楽しんでください」なんて綺麗事は言えません。

ただ一つ言える事は細谷先生の記憶はこれからもずっと私の記憶の中に残り続けるし、細谷先生等先人が残してくれたオーディオと言う文化を守っていきたいと思っています。