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Bricasti Design M1SE、OPPO Digital SONICA DAC試聴 後編 M1SE編

Bricasti Design M1SE、OPPO Digital SONICA DAC試聴 前編 SONICA DAC編

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=832

を書いてからずいぶんと時間が経ってしまいました。

実は3月初めから1月のスキーでの転倒(http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=822)の後遺症でしょうか?首痛・右肩痛に悩み首は曲がらない、夜も痛みのあまり眠れない日々が続いていました。

どのくらい酷かったかと言いますと、一番の下の子供がブロックで遊んでいると

「あ〜あのブロックを首と肩に押し当ててグリグリやったら楽になるかな?」とか

子供がボールで遊んでると

「あのボールで首を撓らせたら首が楽になるかな?」とか

勝手に想像してしまうほどに。

今現在は少しずつ良くなっているのですが、それでも日々ロキソニンで胃を荒らしてる状態です。

あ〜先日の宇都宮出張、とんかつ定食で久しぶりにトンカツを残してしまいました(豚汁、ご飯まで)。

ここ最近少しずつ暖かくなり、春も近づいてきてるようですので、その力を借りて体の方を少しでも早く治したいと思います。

さて、私の体調なんかよりも本題の「Bricasti Design M1SE」の試聴インプレッションです。

正直な話Sonica DACの試聴よりもこちらの試聴がメインでした。

現在私には魅力的に感じる現行デジタル機器が皆無に等しいです。

それは「デジタル機器はアナログプレーヤーに対して敗北を認めた」

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=804

でも書いています。

私はとにもかくにも既成のデジタルオーディオ製品を馬鹿にしています。

数百万円のデジタル機器をもってしても数十万円のアナログプレーヤーの足元にも及ばないと思っています。

ワイドレンジとは聞こえは良くても、希薄で薄っぺらなサウンドは情報を聴かせてくれても、感動を伴った「音楽」としては聴かせてくれません。

デジタルオーディオ製品で「力強い」と言う製品を聴いても、単にエッジが立っているだけの話で、音の幅・厚みがなく、「腰のある」とか「タメのある」の様な音楽の全体像としての力強さとは結び付きません。

比較すること自体がアナログ製品に対し失礼と思うほどです。

しかし、昔はアナログ機器に敵意むき出しで音楽を訴え掛けるデジタル機器がありました。

このブログを読まれてる方ならお分かりだと思いますが、私はWADIA27iXVer.3の音が好きで好きで仕方がありません。

WADIAのトランスポートではなく、スイングアームのトランスポートや素性の良いトランスポートと組み合わせた時の音は、アナログ製品も真っ青な音です。

過去にこちらでもWADIA27iX Ver.3について言及しています。

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=499

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=598

WADIA27iX Ver.3の音を分かりやすく言うなら

「たった一杯で甘党を満足させるような濃厚な御汁粉」

「肉汁滴る分厚いサーロインステーキを目の前に出されたような満足感」

「描かれる音場空間が暗黒であるにもかかわらず描かれる音楽はホット!」

この様な言葉が思い浮かびます。


M1SEに期待したものはWADIA27iX Ver.3を彷彿させる音です。

「Bricasti Design社 M1SEは物凄く濃くて奈良岡さんのお客様好みだと思うので聴かれてみることをお勧めします。」と言う本田雅一さんの言葉から、そのように期待したのです。

KRELLのVanguard Universal DACは既製品であるにもかかわらず、WADIA27iX Ver.3を少しばかり彷彿させるような音を聴かせてくれました。

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=777

これは良いDACでした。

それならば100万円オーバークラスならよりWADIA27iX Ver.3に近い音が出るのではないかと期待したのです。

まず試聴環境ですが、OPPOのSONICA DACと同じです。

同じ日に同じようにセッティングし、試聴しました。

通電直後の音は

濃いというよりはパワーはあるけれど骨っぽい音と言う印象が強いです。

骨太感の骨っぽさはあるけれど、それに付随する筋肉や脂肪が見えてきづらい音と言えるかもしれません。

〜部屋の温度を高くし、筐体そして内部共に温めた2時間後の音〜

これは大きく印象が異なってきました。

音楽を描く筆の数が増えたような感じです。

通電直後は細い筆のみで描いていたようなイメージで、骨太な音も細い音の積み重ねで描いたような頼りなさと言うか背景が見え隠れした様な感じがしました。

しかしエージングされた音は、一本筋の通った太い音は、それに見合った太い筆を持ってきて描いたような揺ぎ無さを感じます。

そして太い筆に足りない部分は多数の細い筆を用い音楽全体を多様な表情で描くという感じです。

太い音も細い音もちょうどいい。

そのような音です。

SONICA DACとの違いは

SONICA DACはバランスの取れた外観で音を描いてるのに対し、M1SEは音の内面の充実で音楽を描いてるような感じです。

詰まった音の内面より輪郭に頼らず音を描く。

ONとOFFで音を描くのではなく、全てがONでそのONの強弱で音を描くようなイメージです。

クリアな空間ではなく、その一歩先を行くうごめく空気感であり、そこに幅と厚みのある密な音像が存在感を示す。


さてそのサウンドはWADIA27iX Ver.3に近いか?

そうですね、近いという部分ではKRELL Vanguard Universal DACの方がWADIA27iX Ver.3に近いかもしれません。

27iX Ver.3ほど胸を鷲掴みにさせるほどの剛腕感はありません。

27iX Ver.3に比べると少しばかり華奢で少しばかりアッサリと言う感じです。

しかし現代デジタル機器の中では間違いなく剛腕であり濃厚・濃密です。

感覚的に言うならマークレビンソン社がマドリガル社だった時代のDACとWADIA27iX Ver.3の中間的サウンドに近いかもしれません。

WADIA27iX Ver.3が「たった一杯で甘党を満足させるような濃厚な御汁粉」とするなら、M1SEは濃厚な御汁粉ではあるけれど、何杯も食べれるほどに程よく再調整したような味。」とも言えるかもしれません。

「このぐらいがちょうどいい」と言う方も多数いると思います。

KRELL Vanguard Universal DACに続き

「おいおい、やはり既製品の音じゃない!ノーマルでいきなり私がモデファイしたっぽい音が出てる。」

特筆すべきはチャンネルセパレーションの優秀性です。

これは完全にKRELL Vanguard Universal DACを凌駕しています。

水平方向の情報が事細かにしっかり描かれながら、顕微鏡を見せられたような音楽的破綻がありません。

それはうごめく空気感も含め高い情報量からくるもので、モノラル音楽を聴く様な安心感=音場センターの充実感を感じさせてくれます。

車で言うと左右輪が別々のトルクでコントロールされてるような安定性、自在性を音楽に感じとることができます。

当たり前の話ですが「これがステレオなんだ。」という事を感じさせてくれます。

ほめ過ぎたので気になる点も


(高いレベルで)まだもう少し音像・音場共にボリューム感が欲しいです。

音楽の背景が陰影寄りの音ではあるのですが、漆黒まではいかず、ほんの少し明るい梨地的な感じもします。

外観は少し合理的にまとめすぎていて、ネジ等を含め筐体のディテールが何処か安っぽい。


上二つはDACの基礎体力が高いですから幾らでも追い込めるように思います。

最後の外観ですが、「さすがにすべてのネジがホームセンターで売ってるような単調な(+)ネジはないだろう。」などの不満等があるのですが、エミライの島様のお話を聞くとBricasti Design社はオーダーメイドの特注対応もできるそうなので、これも問題は解決できると思います。

書くまで大変遅くなりましたが、これは私がBricasti Design社 M1SEの評価です。

100万円台でではなく、価格制限することなく実に魅力的なD/Aコンバーターだと思います。