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AV8805出ちゃいましたね

私の大好きなマランツのサラウンドプロセッサーAV8802A

その類稀なる潜在能力にほれ込み、私はHLP8802Aと言う製品を座間DOLPHINで発表しました。

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=752

2chに特化した当社のリファレンスプリアンプはAYREのKX-RをモデファイしたKX-R/HLPですが、私は2chだけでなく、SACDマルチやAVサラウンドが大好きな人間です。

いや、正直に言いますと2chよりもSACDマルチやAVサラウンドの方が好きです(正直に言わなくてもこのブログを読まれてる方はわかりますよね)。

HLP8802AはKX-R/HLPに引けを取らないとまでは言えませんが、少なくともハイエンドメーカーが威信をかけたフラッグシップ2ch専用プリアンプを手玉にとる事を目標に開発し、そしてその目標を達成しました。

最終的にはそれらフラッグシップ2ch専用プリアンプを瞬殺するほどの能力を手に入れたと思っています。

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=842

その様な製品から得られるSACDマルチ、AVサラウンドの音は・・・

もう絶品の一言です。

世界中でこの領域のサウンドを体験できるのはHLP8802Aのユーザー様だけと断言していいと思います。

ただ・・・

こんな素晴らしい製品HLP8802Aを支えるAV8802Aは昨年生産完了となりました。

昨年の時点では、「残念ながら後継機はないそうです。」とブログでも書かせていただきました。

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=849

そうしたら・・・

後継機のAV8805が出てしまいました。

https://www.marantz.jp/jp/Products/Pages/ProductDetails.aspx?CatId=HiFi&SubCatId=Amplifier&ProductId=AV8805

私奈良岡、すっかりう嘘つきになってしまいました(担当営業の話を聞きますと、当時はまだ後継機が出ない方が優勢だったようです)。

その様なわけで、実は2月27日にD&Mの方で試聴を済ませておりました。

2月6日、私がインフルエンザになり落ち込んでいるときに、「おい奈良岡、お前随分とAV8802A売ったようじゃないか!店に持っていってやってもいいし、こっちに聴きに来てもいいし、どっちにする?どこよりも先に聴かせてやるぞ。」と(新しい)担当営業者から電話があったのです。

潔癖の私的には、「『そちらに行くのも、店に持ってきてもらうのもどっちも嫌です。』と言う選択はないのかな?」と思いながらも、新しい担当者に怯え、「それではそちらに行かせていただきます。」となり、2月27日の試聴になったわけでした。

さて試聴してきた感想ですが・・・

どうせ、そこいらのショップやマスメディアの様に当たり障りない事を書くと思うでしょ?

いやいや、行った以上はちゃんと書きます。

商品説明と試聴ですが、こちらと同じような環境で行われました。

https://www.phileweb.com/news/d-av/201802/28/43390.html

メーカーのプレゼンにて試聴させていただいたのですが、その時の感想はまさしくここ(3〜4ページ)に書かれてる通りです。

私の大好きなAV8802Aは低域〜高域までレンジは狭く、コントラスト調に偏ったメリハリサウンドです。

音場も左右、高さ、奥行きとも非常に狭い。

「なんだAV8802A全然いいとこないじゃないか。」

これが最初の感想でした。

しかし私もプロです。

あまりにも不平等なセッティングをすぐに発見したのです。

AV8802Aの試聴の時のセッティングはこのような感じ(AV8802Aが上)。



そしてAV8805試聴の時のセッティングはこのような感じ。



だったのです。

分かり易く言うなら、AV8805はミュージックツールをラックとして単独でセッティングされ、AV8802AはAV8805の上に重ね置きでセッティングされたのです。

この様な状況で聴いたら大きな差になる事は当たり前です。

「以上で試聴を終わりとします。何か質問はありませんか?」との問いに

「あの〜大変に申し訳ありませんが、AV8805とAV8802Aを同じセッティングで聴かせていただけませんか。このようなセッティングで聴いてもお客様に正確な二つの製品の差をお伝え出来ませんので。」とお願いしました。

はじめは断わられると思ったのですが、快くOKしていただき、比較試聴の再スタートとなりました。

そうしたら・・・

皆さまの予想通りとなりました。

AV8802Aは私の大好きな音を奏でてくれました。

「HLP5509の後継モデル機は」

http://blog.zama-dolphin.jp/?eid=748

にて

「これまでの傾向と同じく(音場的にもレンジ的にも)真ん中に音が集まった傾向は感じますが、しかしだからと言ってこの音をナローとはいいたくないです。

それは音場で言ったらセンターに、帯域で言ったら中域にバランスを置きながらも、今までは表現できていなかった細やかな数々の音が低域に高域にジグソーパズルの空きスペースを埋めるように適材適所にしっかりと配置され、完成されたパズルのように音がしっかりと完結しているからです。

音場が広いとか、ワイドレンジな音とは言えないかもしれませんがマランツが考える「中庸」を貫いたちょうどいい音と表現したくなります。」

と表現した音です。

それに対しAV8805は

中域の充実感よりも、ワイドレンジ感

音場におけるセンターの充実感よりも、音場の広さセパレート感

を優先したような音です。

色濃いコクを重視したAV8802Aに対し、継ぎ目のないシームレスなつながりを重視したAV8805という事も付け加えれると思います。

AV8802Aを古典的王道とするのなら、AV8805は現代オーディオ的王道

と言う感じでしょうか。

試聴後に私は

「AV8802Aの音場は決して広くはないけれどそこに描かれる音楽はボリューム感がありそして密度感があります。

音楽としての醍醐味、聴かせ上手は断然AV8802Aだと思います。

ただしかし、AV8805と比較するならAV8802A少しばかりガサツな洗練されていない感じはします。

例えていうなら、AV8802Aは黒糖であり、AV8805は上白糖と言う感じでしょうか。

ワイドレンジ、高セパレーション、シームレスなつながりを得たかわりにAV8805が失ったものもあります。

しかし他メーカーに比べるならAV8805はやはり濃厚で濃密で、音楽のボディ感は他メーカーを圧倒していると思います。

私にとってはやはり他メーカーのサラウンドプロセッサーは家電製品でしかなく眼中にないです。」

と総括させてもらいました。

どっちが好きかと問われれば、音楽の中心に重きを置くAV8802Aかもしれません。

しかしAV8805にはAV8802Aにない良さがあります。

AV8805の方がAV8802AよりもHiFiなのです。

私はよく

「私の好きな音は濃厚なHiFiサウンドです。濃厚なHiFiサウンドは低域フェチも、中域フェチも高域フェチも満足させることができる幸せな音だからです。」

と言います。

HLP8802Aは、音楽の中心が充実した古典的王道サウンドのAV8802Aを濃厚なHiFiサウンドにした製品とするのなら、HiFiサウンドのAV8805をそのまま満遍なく濃厚にすることも当然にできるはずです。

AV8805の登場で私は嘘つきになってしまったかもしれません。

しかしこの製品が持つ可能性から考えれば本当に小さなことです(そのような事にしておいてください)。

世の中の多くの2チャンネラーを蹴散らし、マルチチャンネルの素晴らしさを伝える。

AV8805には頑張ってもらわないといけません。